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我思う故に我在り

頭の中のMEMOこと小説置き場

囁かな幸せ/ショートショート

何にもない。

朝目が覚めてペットボトルの水で薬を飲む
「空虚だ・・・」
覆い隠された空虚感は大きい
時間があればある程、悟(さとる)は悩んだ

考える前に行動しろと人は言うけど
どうしても先を悩んで行動できないタイプだった

人間関係、仕事、自分自身の問題

実家で暮らしているから
まだやっていけるんだと周りは言う
そう言われたって精神の病気で
なかなか自由に動けない
逃げてばかりな自分が嫌になった

周りはぬくぬくと人生を謳歌している
苦労していることはわかる
だけど俺の苦労もわかって欲しいと感じていた

どうやったら人に心が開けるのだろうと悟は疑問に感じた
社会不安障害の悟はバイトさえも長続きしなかった
国の補助で生きていくしかなかった

布団に横たわっては考えるが毎日続いていた
そんな時部屋におふくろが朝食を運んできた
何日も部屋に閉じ篭り
食事をとらなかったから心配しているのだろう

「ご飯ろくに食べてないでしょ一口でも食べてなさいね」
「わかったよ」

おふくろの顔を見ずに言ったら
おふくろは気まずそうにしてその場を出て行った

おふくろが出て行ったのを見てから布団から出て
おぼんの上の食事を見た

白米、味噌汁、シャケの塩焼き、たくあん

まず白米を一口食べた
「うまい、白米ってこんなに美味しかったか??」

一口食べたのをきっかけに次々と箸をつけていった
「何もしなくても食事が出る・・・凄いことだ」

そして噛み締めていくうちに涙が出てきた

「食事を食べるだけでこんなにも心が幸せになるのか、俺は損をしていた」

食べることそれは人間にとっての娯楽のひとつ
作り手が親となれば料理にも愛がこもっていて味が全然違う

部屋から出、空にった食器をキッチンに運び
歯を磨き顔を洗い身支度をした

「何処に行くの??」
「ちょっと散歩」

心配していた顔が笑顔になり一言魔法の言葉をくれた

「全部食べてくれてありがと」

それは悟にとってこの世にたった一人の人の言葉であり
幸せだと感じた

END

 

*

 

過去小説です。

作品増やしたいなぁヽ(・∀・)ノ